サッカー日本代表に必要なのは、徹底したリアリズムによるサッカーなのか?

岡田監督のサッカーの根底にあるのはリアリズムだと時々言われる。
なるほど確かにWCに行けるだけど選手を擁しているはずの日本ならば、リアリスティックにやれば本戦出場も近いだろう。
でも、日本代表のサッカーに必要なのは、本当にリアリズムサッカーなの?

天下のダービー、常識や慣例を振りかざしていただけでは勝てんよ。

ダービージョッキーの終わりのほうでそんな台詞が出てくる。
主人公がダービーの週に記者に知らせずに2日(3日?)連続追い切りをしたときに、記者に迫られた調教師が言った台詞なんだけど。


あくまでもマンガの中だから通用するわけで、現実でそこまで常識の範囲外のことをやれとは思わない。
でもアジアのトップの1角だけど世界的に見たらWCのGL敗退トップ候補の日本代表が、WC本戦で「何か引き起こすんじゃないか?」と思わせられるような、そういうサッカーができるるようになるためには、自分の能力の範囲内でおさまってしまいがちなリアリスティックとは正反対の、そういう常識からはずれたどでかい理想をぶちあげないといけないんじゃないか。


「予選通過、目の前の勝利」と「WCで旋風を起こすためのどでかい理想」の折り合いをつけてやりくりしていける監督が必要なんじゃないか。


そして、それがオシムだったんじゃないかな。
中盤からトップまで90分間継続して連動する動きを求め、時にはCBの一角にもオーバーラップを要求する。しかもエスプリをきかせなければならない。
前半のスタート時はいいけど後半25分ぐらいで毎回息切れしてる日本代表で、90分間走りきれるサッカーを完成させられるかどうかわからない。
しかもそこに中村俊輔なんていう"走らない"選手を混ぜ込むなんて、それこそ空中分解するかもしれない。
実際、アジアカップでは準決勝で敗退してしまった。
でも、「これが完成したらもしかしたら」と思わせるサッカーになりつつあったとも思える。
ある程度ギリギリのところで目の前のノルマと理想の折り合いを、少なくとも私にはつけられていたように見えた。


日本代表ファンは、代表になにを求めてるの?
予選を突破してWC出場すること?
トップ選手を集めてアジア相手に勝つこと?


たしかにそれも大事。
アジアのトップの1角にしてWCに2大会連続で出場中の日本なのだから、そうでないと何も始まらない。
でもさ、一番見たいのは、いまのトルコやロシアみたいに、どでかい舞台で強豪相手に旋風を起こすところじゃないの?
現実を見ろとか、日本はそこまで強くないとかツッコミを受けると思うけど、でもジーコジャパンのときに大舞台ではないとはいえチェコやイングランド、ドイツと五分にやってたんだぜ?
私は旋風を起こす日本が見たいのよ。
みんなも無理だとか言いつつも頭の隅では見たいと思ってるんじゃないの?




そこに、リアリスティックなサッカーで、たどり着けますか?