ディープインパクト

あれだけ好レースだったJCD・JCの次の週だっていうのに、その勝ち馬や騎手を差し置いてディープインパクトがこんだけ騒がれているというのには、その実力は認めるけど、正直辟易。しかもJRAまでやれカレンダーだ入場料無料だって騒いでるし。英雄だ救世主だって騒いで、結局競馬そのものの面白さをアピールできてない気がする。

例えるなら、ディープインパクトは低迷しているサッカーチームにいきなり現れた、世界に通用する新星。その実力の高さは誰が見ても明らかで、なおかつ顔も良くて人気も抜群。当然マスコミはその選手に注目し、その選手のプレーの凄さを称え、一方チームの経営者はその選手を売りにして収入増を図る。しかし、マスコミも経営者もこの選手を特集するばかりで、チームのすばらしさ、サッカーの面白さ、醍醐味自体を伝えようとはしない。確かに「その選手がいる」という理由で一時的にはチームのファンが増えるでしょう。売り上げも伸びるでしょう。しかし、この選手がいなくなった後、どれだけのファンが残るでしょうか。この選手がいなくなってもチームを応援してくれるファンや、サッカーに興味を持ってくれる人を増やさない限り、またこのチームは低迷するでしょう。

JRAはディープインパクトを売りにして売り上げ増加を図っているが、あまりにもこの馬だけにスポットライトを当てすぎであり、そのあとの競馬ファンの定着に関しての方策をもっと練るべきだと思う。今のままだと、ディープ目当てで来場→たまたま馬券的中→競馬にはまる、という流れでしか競馬ファンは増えなさそうだし、しかも馬券が的中したからといって競馬にはまるかどうかは別である。

とかいろいろ考えていて、なるほど俺があまりディープインパクトを好きになれない理由がわかって気がする。つまり、ディープインパクトは2002ワールドカップ前後のベッカムなのである。実力もあるし、元々の人気もあって、そして、マスコミが騒いで、サッカーに興味ないけどベッカムは好きっていう女性ファン急増。そして俺はその騒がれっぷりに辟易して、あまりベッカムに好感を持てなかった。あの時ベッカムが好きになって、それで今もサッカー好きっていうファン、どんだけいるんだろ。ホント、JRAはもう少しディープインパクトファンをいかにして競馬ファンにするかを考えたほうがいいと思う。難しいだろうと思うけど、今を逃すと次に立て直すチャンス、いつ来るかわかんないし。
それにしても、素直に英雄の登場を喜べない俺ってひねくれ者だよなあ。